poco a poco.

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

惚れやすい女。 

『オランダの光』や『真珠の耳飾りの女』などの映画を観て、
フェルメールの絵を観てみたいと思っていたら、東京にきているらしい。

東京か。

フットワークの悪いわたしのことだから、きっと行かないだろうな。

どうせならアムステルダムで観てやろうか。
近くの東京より、やっぱり触手が動くのは遠くのアムス。

あの穏やかな光はやっぱりオランダならではなのか。
実際に行って確かめてみたい。

最近、寝る前にテレビを点ける。
テレビを観ないで本を読んでいたりするけど、
この前はNHKで木田金次郎さんの番組をやっていた。
実は今回名前をはじめて知った。
『海』という絵を観たときに、ゴッホみたいと素人目に思ったことがある。
そして、あの有島武郎の小説、
『生まれ出ずる悩み』のモデルであることも知った。

あの小説は何度も読んでいる。
一度目に読んだとき、あのモデルになった漁師に惚れた。
そして二度目に読んだときに、これは、有島武郎自身ではないのかと思った。
語り手が札幌に住む小説家である有島本人であることは間違いない。
ただ、絵を描きたいと願いつつ日々厳しい漁に出て、時間や、指の繊細さや、絵への熱意を奪い取られていくのは、モデルの木田金次郎だけの姿ではなかっただろうと思った。
ハーバード大学を出たエリートの有島は大学教授となる。家庭を持ち、子供を授かったが、妻は三人目の子供を産んだ後亡くなる。そして彼は夫のある女を愛してしまい、無理心中に身を投じてしまう。
彼は多分一度も満足をしたことがない人ではないかと思った。
家庭や子供、そして際限なく深く愛を求め続ける自分自身の激しさに、多くのものを奪われていったのではないかと。


『枯木灘』の秋幸にも惚れた。
この男ほど男が持つべきものを持ち、
持たなくて良いものを一切持たない男はいない。

小説を読んで、こんな男の女になりたいと思い、
生まれ変わってこんな男になりたいとも思った。
そして中上健二という作家に、やっぱり惚れた。

『自分の影が土の上に伸び、その土をつるはしで掘る。シャベルですくう。呼吸の音が、ただ腕と腹の筋肉だけのがらんどうの体腔から、日にあぶられた土の匂いのする空気、めくれあがる土に共鳴した。土が呼吸しているのだった。空気が呼吸しているのだった。いや山の風景が呼吸していた。秋幸は、その働いている体の中がただ穴のようにあいた自分が、昔を持ち今を持ってしまうのが不思議に思えた。<中略> 今、働く。今、つるはしで土を掘る。シャベルですくう。つるはしが秋幸だった。シャベルが秋幸だった。』

目に見えるものから多くのものを感じとる才能にわたしは惚れる。
多くの知識はいらない。ただ刹那であることで十分な人間もいる。

フェルメールは光を捕らえ独自の画法で描いた作家だった。『真珠の耳飾の少女』にも使われている鮮やかな青はフェルメール・ブルーとも言われている。
お金に困っていた。彼は食うために絵を売った。ここにも刹那がある。

食うということは何かを奪う。
夢やプライドを奪われても生きていく人間の刹那。
きっと、わたしが愛しているのは人間のそう言う部分だろうと思う。

スポンサーサイト

[ 2007/10/09 22:50 ] book,art,etc.. | TB(0) | CM(5)
『真珠の~』神戸公開時、確かフェルメールの絵画も神戸に来てた様な気がする…。
ちなみに『真珠の~』は『ロスト・イン・トランスレーション』と共にスカーレット・ヨハンソンがブレイクするキッカケになりましたね。そんな彼女も今やすっかりウディ・アレン映画のミューズですが。

今回のブログを読んでロリエさんが野茂英雄を好きな理由がわかった様な気がする…。
ボクはイチロー派ですが。
[ 2007/10/11 04:19 ] ハタ坊 [ 編集 ]
僕も芸術家やアーティストの作品もさることながら、
そういう部分に惚れ込んでしまいますね。

アムス、行っちゃいましょう。
僕は未だにアムスのゴッホ美術館で見た『古靴』が生涯一の作品です。

アムスは市民が作った街。
日本のお上に作り上げられた街とは大違いです。
良くも悪くも一歩先を行ってると思います。
ぜひ一度行ってみてくださいな。


[ 2007/10/11 12:23 ] jeli [ 編集 ]
アムステルダムに行ったらまず木靴はいて
場違いな感じで街を闊歩な
[ 2007/10/12 09:19 ] ぱつぱつ [ 編集 ]
ハタ坊さん>ふふ。気づきました?
男のタイプと聞かれていつも面倒臭いから「NOMO」と答えています。
「秋幸」と言うより分かりやすいですし。
[ 2007/10/12 13:35 ] rorie [ 編集 ]
jeliさん>生涯一の作品ですか。わたしもそういうものに出会いたいです。
アムスいかねばならんですね。もちろんスペインにも。
時間が足りないなあ。長生きしなくっちゃ。
[ 2007/10/12 13:47 ] rorie [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。