poco a poco.

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忘れ物。 

微熱が下がらない。

この蒸し暑いときに、だるいったら。

体内時計が狂っているせいかな?なんて思ったけど、

体内時計ってそう簡単に狂うものではないらしい。

夜勤してる看護婦さんだって、夜になると体温が上がるんだって。

つまり、お眠になってる体を無理矢理仕事モードにしてるんだろうね。

集中力が上がって、ちょっとした興奮状態になっている時なら経験あるけど、

習慣としてそういう勤務に体を合わせるのは大変だと思います。

そう考えると軟弱者だわ。



今日帰ると、丁度陽が沈んでしまった後で、

すごく久しぶりに太陽を感じられた。

朝なのに朝日もなく、

昼なのに会社の窓の外は夜みたいに暗くて、

ちょっと早めに会社を出ても、

太陽は厚い雲の向こう。。

生まれ育ったところに比べれば、

なんて事はない普通の梅雨なんだけど。

でも、そんな日に満員電車に乗る事なんてなかったもんな。



傘の柄が女の子のショルダーバッグに引っかかって不審げに振り返られたり。

びしょ濡れの折りたたみ傘をたためなくて、困った顔して持ってると、

水滴が隣の人の足に落ちて睨まれたり。

そんなおじさんたち。

わたしの何倍も満員電車に乗ってきた人たち。

なのに、本当不器用だよな。



人との距離が近いからこそ、みんな誰とも関わり合いたくない。

その密集した箱の中にいたことを忘れてしまうくらいに、

通り過ぎたい。何も見ないし、見て欲しくないし、

ぶつかられて

「あ、ごめんなさい」

なんて言われても、笑顔も交わさず。

とにかく、スルー。



たまに、仲良しおばさん2人組が乗ってくると、

車内の空気はごーっと音が立ったみたいに変わる。

奥さん!ここ空くから!

立とうとする人の気配を見て、座りたがるのは分かるけど、

座るのはあんたたちじゃないよ。

でも、やっぱり座席の横のおじさんは、

押しのけられて席を取られてしまうのでした。

ったく、本当に不器用だよな。



でも、本当はそうでもないかもね。

こんな事で腹を立ててたら、明日も明後日も同じ電車に乗れないよな。

ずーっと、ずーっと続けてきたことだから、

一番楽な方法を知ってるんでしょう。たぶん。



満員電車で聞こえるのは、

プレーヤーから漏れてくる音楽の音と、

たまに大きく揺れたときに踏ん張った踵の音と、

新聞をめくる音と、

窓が細かく振動する音と、

車内アナウンスの声くらい。

100人以上もいる人たちみんなが、

何事もなく時が経ち、いつもの駅に着くのを待ってる。



扉が開くと車内の空気が、うわんと一気に膨らむのがわかる。

それは降りていく人たちと一緒に車外に流れ出していく。

まるで息を止めた後の深呼吸のように、

だれも意識していないのに、張りつめていた空気が和らぐ。

乗客が入れ替わって、扉が閉まるとまた同じ時間が繰り返される。



手放せない傘は、ほんの少しだけ車内密度を上げて、

ほんの少し空気を変える。

何事にも動じないはずのおじさんが、傘を忘れて席を立つ。

「忘れ物ですよー」

ちょっと緊張して出した声が空気を少し揺らす。
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[ 2006/07/06 21:43 ] season | TB(0) | CM(0)
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