poco a poco.

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台風。 

ずいぶんと昔のこと。
わたしがまだ小学校の低学年の頃だった。
大きな台風が通過していった。
ちゃちな作りの家は大きな音を立てて揺れていた。
窓ガラスはガタガタと鳴り、
居間の天井はドリフみたいに何カ所も雨漏りがした。
風はどんどん強くなり、
雨は風と一緒になぶるように小さな家に叩きつけられた。
バサーッという音が上からしたと思っていたら、
すぐ横の窓ガラスに風呂桶をひっくり返したような水が浴びせられる。
窓というより、壁全体が揺れていた。

きっと、こんな家は吹き飛ばされてしまう。
そう思うと、何に捕まっていても、
布団に潜り込んでも無駄な気がした。
どこに行ってしまったのか親の姿はなかった。
隣の兄の部屋に行きたいけど、動くことができなかった。

雷が大嫌いだった。
バリバリと天を引き裂くような音がすると、
布団で頭をくるんで泣いた。
怖いよ。怖いよ。
バリバリという音は何度も何度も続いて、
わたしの泣き声をかき消してた。
怖いよ。怖いよ。
泣いて泣いて、いつの間にか眠っていた。

朝起きて布団から顔を出すと、外が晴れているのがすぐに分かった。
蝉が狂ったように鳴いている。
外には大人が出ていて、台風の片づけをしていた。
庭の大きな杉の木が雷の直撃を受けて根こそぎ倒れていた。
家とは真逆の方向にだった。
もし家の方向に倒れていたら、わたしが泣いていた部屋を直撃していた。

わたしがそんなことを考えるわけがなく、
横になった杉の上を早速渡っていった。
そして、父親に怒鳴られた。
空は青くて、家の周りはぐちゃぐちゃで、
わたしはなんだか楽しかった。

台風は何故だか夜にやって来る印象があるのは、この日のことがあるからか。
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[ 2006/08/08 10:11 ] season | TB(0) | CM(0)
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