poco a poco.

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見えない道。 

ここ数年、とても歩きやすい道を歩いてきた気がする。
大きな不安に襲われたり、
どうしようもなく自信を奪われたりすることは、
十代の頃から変わらずやって来たことなのだけど、
それでもなんとか乗り切ってきたり、
うまく交わしてきたりしてきた。

近頃は交わす前から険しい道は避けてきた。
誰かとぶつかったり、いやその前にぶつかりそうになることも嫌で、
そんなに変わらない結果ならば、
多少の回り道の方が気が楽だし、
ずいぶんと大人になったものだと自分で満足したりしていた。

でもそれは、よくよく考えれば、
何も生まない道を歩いているということかも知れない。

自分が今まで歩いてきたことさえも無視して、
否定していることではないかと、
今日、たった今、そんな気がした。

15年前のわたしは、
ただただ見えない道を歩いていた。
このまま進んでいって、わたしは一体どうなってしまうのか。
ここから違う道を選んだとして、一体どんな未来があるのか。
結婚願望もなく、そんな目で男を見たこともなかった。
自分で稼いで生きていくためには、一体どうしていけばいいのか。
本当にやりたいことと、現実の自分はあまりにも遠く、
やりきれないと思いつつも、見えない道をただ歩いていくしかなかった。

今の倍も酒を飲んで、三宮の繁華街で酔いつぶれ、
拾ったタクシーの運転手に襲われかけた。
なけなしのお金は酒と煙草に全部消えた。
おいしい酒など、本当にたまにしか飲まなかった。
見えない道を思い出すのが怖くて、
毎日毎日天井が回るのを見ながら寝た。

会社ではよく社長と衝突した。
納得のいかない言葉には従いたくなかった。
指示ではなく、言葉尻に噛みついてそれにこだわった。
そんな気持ちで、そんな考え方で仕事をしたくない。
青臭いが、本当に抑えようのない気持ちだった。
もっと楽ができたかもしれないが、
あのころのわたしには無理だった。
ただ従うだけなら、そこにいて仕事をする意味などなかった。
自分を消すことなどできなかった。

今、歩きやすい道がここにある。
未来は鮮明に見えている。

見えないはずの未来を、見えている気になっている。
大人になった。
多くを学んで、器用になり、
何処に行ったってそれなりの仕事が出来る自信はある。
ただそれが何なんだろう。
そんなことを言い出して何年になるんだろう。

小説を書くことに、少し自信をなくしていました。
力不足であることは、当たり前なことなのに、
それに苛立って、やるべき事から離れていっていました。

そして、うまく自分を誤魔化そうとしていました。
小さいときからのわたしの悪い癖です。

見えない道に進むのが怖い。
そう思っているときに、友人からハガキが来ました。

小説家になって欲しい。

愛すべき天然の友よ、
なんでこんなにタイミングがいいの。
あなたの言葉は何百編の小説を読むよりも、
わたしに小説を書かせる力をくれる。

そうだね、もしかしたらわたしの小説を読んで、
見えない道のずっと先で、
少しだけ気持ちを穏やかにしてくれる人がいたら、
そんなに幸せなことはないね。

見えない道のずっとずっと先のことだけど。
そんなに幸せな事ってない。
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[ 2006/08/11 10:13 ] practice | TB(0) | CM(0)
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